SFからの散論


ねっちり書きたいって言ってた奴。
味付けは多分、オカルトとか宗教風味に近づくと予想。
畳みます。


さて、何を隠そう、私はSFというジャンルが苦手だったりした。
過去形。
どうにも面白いと思えなかった。

ところがどっこい、某SFを読んでふと、
SFというジャンルは人間、社会、自我、生命、時間、空間、などに対する思考実験の一種であると思い当った途端に、ふっと苦手意識が消失した。
随分時間が掛かったものだ。

まぁこんな来歴なもんだから、
SFに求めるものが、作劇の面白さよりも、
そういった哲学的アプローチの濃厚さなんかになったりする。
そういえば、大学の時の哲学の授業で押尾の「イノセンス」をお題にしてた先生もいたしなぁ。

何処までが実現可能かとかも勿論考えて楽しいけど、
今までに考えられてこなかった、あるいはたまたま実現していない技術にまつわる倫理観や運用法というのは、
想像しうる社会と人間と技術の相互関係を想像しつくすことであって、
それだけで何か楽しいしロマンがある。

そういう世界観がいつか訪れないとは限らない訳で、
ロボットだってクローンだって、
かつて夢見た人がいて、今研究してる人がいて、いずれ実装されるとすれば、
今の私達が「完璧なまでに高度な」ロボットやクローンが出来た場合の社会を妄想することは、必ずしもただの遊びで終わるものでもないと思う。
思考実験は心と脳味噌の準備期間だ。


たまたま先日、「人間を構成する物質以外の要素」の話をした。
魂の重さを測る実験の話は有名だから省くとして、
例えば、生まれ変わりを考えた時、
何をもってして特定の個人の生まれ変わりと判別できるか、というような話。

例えば持って生まれた魂の重さが全ての人間間で違う重さであれば話は早い(金貨の重さを比べるなぞなぞみたいに)けれど、
そんなもん今のところ滅多に測れないし(ひょっとしたら法律的に測れないし)、
測ったところで全ての人間の物を測る訳にもいかないだろうし、
何より、死ぬまで結果が判定できない。

んで、その時に出た内容として、魂の内容の分解、があって、
魂とは、個人の記憶、個人の思考、個人の感情の総体、という一仮説が立った。
が、それらを突き詰めていくと、
記憶は事実を思考で歪めたものになっちゃうし、
思考はトレース不可だし、
感情に至っては、感情の原型が恐らくイドの辺りからやってくるものになっちゃうから、個人の、という括りが難しい。

宇宙飛行士が宗教に走っちゃったりするのも、
結局、突き詰めた科学はオカルトに通じるからなんだろうなぁ、と思うのだが、
オカルトの前に哲学に走った宇宙飛行士とかっていないんだろうか。
いてもおかしくないと思うんだけど。

話が逸れたが、魂の話に戻る。
魂の重さが実際まぁあるとして、そうしたらそれはどのくらいの経年劣化をする物質であるのか。
一つの魂がリサイクルされるならいいが、
キリスト教が言うように一個人が一個人のままであるとして、
それがラッパが鳴るまで残っていたら、地球は重くなっていく一方ではないか。
逆にリサイクルされるとしたら、どういう形でフォーマットされるのか。

現在の時点で私はこれをひたすら思考実験の俎上に乗せるしかないが、
いつの日かそれが現実の科学として数式であらわされる日が来ないとも限らない。

この辺が解明されて、電気信号なりでログを残したり出来るようになった日には、
やっぱり倫理問題を孕む技術ががすがす出てくるだろうし、
倫理問題なんて突き詰めれば宗教と文化のなれの果てなので、やっぱりまとまる訳もないと思う。
世界が単一宗教・単一文化になる日は来ない、というのが私の考えである。
来るとしたら、それこそ洗脳文化の到来だろうし、
世界同時通信網でも作って即時発信出来るくらいにはなってないと無理だろうし、
それは結局戦争地帯と紛争地帯がある限りは実現不可能だろう。
人間が一つの種であるから分かりあえるというのは、どう頑張っても理想論だ。
カサンドラを否定はしないが、役には立たない。
ロボット三原則にしても、人肉食の禁止にしても、その他諸々、
規定というのは「外れる物が存在しうる」という発想から来ているって段階で、
人間社会は性悪説を否定していないんじゃなかろうか。

それに比べると、時間空間にまつわるSF主題は比較的穏当だ。
多分、悪党の心をくすぐる要素があんまりないからかも知れない(笑)
基本的に物語は客体として敵を用意することが多いけれど、
上記のような人間、脳、自我、にまつわる物語には比較的テンプレートなラスボスがいるのに対し、
時間空間、あとは未知の惑星、的な物語には、
小物な敵がいるか、理解し合えない存在としての客体があるだけ、な気がする。
人間の敵は結局人間なんだろうなぁ。

今日起きていないことが明日起きないとは限らない、
そういう風な思考実験大好き人間にとって、なかなかにジャンルとして魅力的な題材であるSFですが、
惜しむらくは、なかなか好きな本に巡り合えません。
求む、面白いSF情報。

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2012-09-20 : 散思考 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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