さわる


比喩じゃなく、
さわれるんじゃないかと思ってしまって、
事実さわろうと指を伸ばしてしまうことがある。

雲のふち。
白熱灯のような太陽。
硬い硬い陽射し、
粘液質の夜。
水面の向こう側。
多分そこにいる何者か。

いつかに見た猫の毛皮。
彼女の髪、煙草の煙の温度。
彼の肩。
彼女たちの部屋の、柔らかいキッチンの空気。
彼らの部屋の、少しぴりっとした温度。

スピーカーから流れてくる音。
その楽器。
声のふくらみ。



さわれると思って、
指を伸ばしてしまって、
だけども届かなくて、
私はそのうつろに引きずられて、
全身が迷子になってしまう。

ほんとうに、さわれるものなんてあるのかな?

自分の身体にさえさわれる自信が無くなって、
私は少し、途方に暮れる。
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2013-06-21 : ひとりがたり : コメント : 0 : トラックバック : 0
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かざみ

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