嫌いと苦手と怖い


朝一に、うんざりする陽射しの中で身支度をする。
私は色のついた陽射しが嫌いである。

そういう中で、しかし晴天なので、
たいそうゴキゲンな(決して平仮名ではいけない)音楽を聴きながら出勤する。
度を越した晴天は、ハイか絶望的な気分かの二極になる。
家を出るときに、選ぶ本が二冊しかなかったことで、既に私は十分鬱であった。
「~~が怖い」
というものがほとんど無い私にとって、
読む本が尽きるということは数少ない、具体的にぞっとする出来事である。
駅のホームにて、携帯で本を取り寄せようとするが、
新しくしたばかりの携帯にはまだ図書館のブックマークがなく、
ずるずると気分が下がっていくのを、かろうじて音楽で保つ。

今時機種変でわざわざスマホを避けた私が悪いのだが、
しかし私はスマホが嫌いなのである。
「次に携帯変える時はさすがにスマホかなぁ」とか言っていたにもかかわらず、
いざ(緊急事態とはいえ)変える事態になったら、
ああ嫌だおお嫌だ、
誰がスマホになぞ目もくれてやるもんか、とか思った辺り、
自覚していたよりはるかに根深い嫌悪感であった。

仕事のPCはインターネット環境があるので、
何の本を取り寄せようか考えながら出勤するが、
しかし私の好きなものは基本的に鬱まっしぐらである。
悩みながら本を読む。
やはり、直に本を眺めて選ばなければいけない。
検索はその制限性が苦手だ。

読んでいた本は旅行にまつわる小説で、
昼食を食べに行きながら、
ああ遠くに行きたいなぁ、
出来れば海外に行きたいなぁと思うも、
そもそも自分が飛行機が苦手で帰るのが嫌いという海外旅行に不向きな性格である。
金銭的問題以前に色々とまずい。

飛行機は何をするにも私に苦手なものが付きまとう。
換気と身動きに制限のある空間、
人から強制される眠りと食事(しかも大概まずい)、
歩き回ることすら難しい。
海外旅行のできる電車があったなら、
間違いなく旅行狂いだっただろうに。
そんなことを考えながら、
晴天の下を虫みたいに歩く。

昼間はそんな天気だったのにも関わらず、
夕方には室内でも分かる不穏な音がして、
大雨との情報を得た瞬間に外まで見に行った。
荒天が大好きなので、机から弾けるみたいに外へ向かう。
外は外で、風は強いし金平糖のような雹がぱちぱちと言いながら散らばってくる。
荒天は困るけれど、それは嫌いとはまた別の話で、
好きな子に困らされるのはまた特別、というのに近い気がする。
ご機嫌になって机へ戻る。

合間にこっそりと図書館のサイトを開くと、
練馬の図書館は20時まで開館しているという。
私の定時は18時、十分に間にあう。
ちょうど暇だったこともあって、
気もそぞろに仕事をして、
定時に上がって自転車を取りに戻り、図書館へ走らせる。
まるで、予定が夜に誰かと酒を飲むだけの日に家を出る瞬間の気分。
と言って、伝わるかは怪しいが。

何度となく通った図書館であるので、
おおよその所蔵の目当てはついてしまう。
そこがややうんざりするところだが、
とにかく無いよりは断然ましである。
今回もまたとりとめのない組み合わせの本と、
何となくCDを借りる。
珍しい。

一日の前半には苦手と嫌いと怖いの関係について考えていたのに(もっと言えばそれらがどのように違うか、についての詳細)、
気が付いてみれば、
なんだかものすごく満たされた一日なように思えてしまうのは一体なんだろうか。
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2014-05-09 : 散思考 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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