一人下北紀行。


(タイトル、並びに以下に記されているのはとある手記の写しである)
(文章量はやや大判のノート6ページに亘っていた)
(改行は原文に添って行ったため、違和感はあるが原文の雰囲気を壊さぬようそのままにした)
(本来であれば先に記すべきことが多くあるのだが、時系列を鑑みてこの写しを先に掲載する)


「ああ、小田急とはかくもかくも罪な電車である」
 小田急を利用する度、私は思う。
 ロマンスカーは箱根湯本へ御殿場へと連れて行ってくれる最良の特急だし、
 普通の電車に乗ったところで片瀬江ノ島行にあたってしまえばもう、降車するか否かは精神の戦いである。

 とまれ、今日の私の目的は下北沢。
 しかも歩きまわるだけではなく、目当ての店が数店舗ある。
 万年筆一式にノート、カメラに本、満載してぱんぱんな、旅行にも使う大きさの鞄をかついで下車。
 ……何故ホームが地上ではないのかと、一瞬身構えた程に久々の下北である。

 脳内プラン:前半はこうである。
 ダーウィンルームで単語帳を買い、ちょっとこじゃれたカフェで朝食とお茶をしながら、万年筆見本帳作り(注:この時点で15:30)。
 で、ダーウィンルーム。
 結論から言えば、単語帳は無かった。それと、とても欲しい標本を見つけたが、怖ろしいことに値札がなかった。推定、12000~15000円。どの道買えないので確認もせず、
あーもう単語帳もないし、めちゃめちゃ空腹だし(繰り返すがこの時点で15:30、何も食べていない)、さっき通ったトルコ料理ビュッフェでも行くか……
ああでも、せめてダーウィンルームの外観は撮ろう。
そう思って一眼レフを取り出すと、何と、こともあろうに(そして珍しく)電池切れである。
先程、かねてより下北に来る度に寄っていた名(迷)店二軒がなくなっているのを見て、
腰近くまで落っこちていた肩、そろそろ地面につきそうである。
 あーあー、と考えながら目を上げると、たこ焼きのちょうちん。どうやら店で食える。
 たこ焼きのバリエーションもたくさんあるし、とりあえず寒風と空腹がしのげれば、と、看板の少し奥の店まで行ったら、中々しっかりした鉄板焼き屋ではないか!!
 ちょっとほくほくしながら、だしたこ焼きとハイボール、である。こじゃれたカフェどこ行った、などという野暮天はおるまい。
 もう心は、買い物+飲み食い倒れツアー、である。

 下北はでろんと広い。
 中でも行きたいところがかなりあっちこっちである。
 途中に足止めされまくることも踏まえ、予定が立て辛い街である。
 そこが好きだ。

 下北に来ると大体のぞく、アンティークといおうか骨董屋といおうか、をのぞき込むと、基本のテイストは同じだが、よりガーリーに、そして何より喫茶スペースが出来ていた。もうこの店に私の買うものはない、と、何故か敗北感を覚えながらもう一件。
 こちらは相変わらずで、ようやく心が落ち着く。そのせいで気が緩みすぎた、インテリアを1つ購入。
 合間合間に店に入り、暖を取りながらあちこちを巡る。
 目的地その1に着いた時には、既にかなりの暗さだった。
 長らく買っている店だが、近頃好みのものがなくて困っている。
 一応、セルフとは言え誕生祝いだ。変に安いものや気に入り加減が今一のものを買っても仕方ない。
 目的地その2を目指すことにする。
 ことにする、とは言っても、そもそもの場所を実は知らない。前回行った時に偶然見つけただけで、駅からの距離、方角、多分この通り沿いという道、までは分かるが、その域を出ない。
 通りすがりの店の今川焼を食べながら街を行く。
 あーもう何か食べにそこらの店に入ろうか、とか思ったらその向かいに目的地発見。これは買ったのか負けたのか。
 ともあれ入る。余程暇だったらしい店員さんが、まぁ喋る喋る、会社の内情から他の知ってるスタッフの話から。大丈夫かおねーさん。
 ピアスの選択肢は少なかったけれど比較的探していた方向のものはあったし、(廃盤になりそうだったし)、しかも安く上がったので、前から欲しかった、これも廃盤の危険性の高いヘッドをお買い上げ。2点で予算内。すばらしい。
 目的の9割を終えたところで、また一服。今度はフライドポテトとタルタルでビールである。
 今日はとことんチープ路線な予感である。
 おまけにまだ18:00、一服が終わったらまた歩く。

 ところで、お気付きだろうか。
 私がまだ、単語帳を手に入れていないことに。
 確かに、朝、ちらりと思いはしたのだ。練馬で、あるいは池袋で、単語帳を買っていこうかと。
 それをしなかったのはひとえに、一刻でも早く下北に着きたかったからであり、たかが100~150円程度のものくらい必ず見つかるだろうと思ったからである。
 あるにはあった。100円ショップの棚に、二種類ほど。
 ただ、よりにもよって、両方ともが方眼だったのである(←方眼嫌い)。
 その後、文具のある店を数店回るも単語帳は見つからなかった。確かに、これほど需要の少ない文具も少ないかも知れない。中学三年間くらいだろうか。私、使わなかったけど。
 あの狭苦しいヴィレッジ・ヴァンガードで目を皿にして探してみても見つからず、この時点で19:00過ぎ。
 私は下北で単語帳を手に入れることを諦めた。

 なのでここからは、タイトルとは違って新宿での話である。
 何時までやっているかも怪しいと思ったハンズは21:00までの営業で、安心して私はようやく、ようやく単語帳を手に入れた。
 思い返していただきたいのだが、本日のプランには「こじゃれたカフェで(中略)万年筆見本帳作り」とある。
 そのつもりでの外出だったので、着ているものもそちら寄りである。
 そんな経緯と物理的な渇きと執着で、喫茶店を探すことにした。
 流れ的にチープ路線、昭和な感じ、しかし21:00で入れるのか?
 とか考えていたら、ふと地下への階段と控えめな看板を見つけた。
 スフレ。これだ。今の私には甘い物が必要だ。
 スフレありフレンチトーストありフォンダンショコラあり、しかし紅茶はポットサービスで珈琲はおかわり半額。
 実に素晴らしい、ぜいたく感とチープ感の両立。
 スフレを待ちながら紅茶を一杯、スフレを食べながらもう一杯、勿論うっきうきで見本帳を作りながら。
 しかも、ミルクティーのミルクはあったまって出てくるという、ミルクティー派には嬉しい、細やかな店である。
 さらに、これを書いていたらいよいよバースデーメール第一弾(フライング)が届いた。
 実に楽しい、一人バースデーイブの一日。

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2015-01-26 : 日々雑記 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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